【パソコンを組み立てる】第3回:Windowsをインストールしよう~BIOS設定から起動まで~
こんにちは! 管理人のJG6BRHです。
前回まで2回に分けて、自作パソコンの組み立て方について書きました
上手く組立てられましたか?いよいよ次はソフトウェアのインストールです。
パソコンが動作するためには、「基本ソフト」が必要です。
「基本ソフト」は「OS」とも呼ばれています。「Operating System(オペレーティング・システム)」の略です。
代表的な基本ソフトには、マイクロソフト社の「Windows」や、アップル社の「MacOs」などがあります。
今回はマイクロソフト社「Windows10」のインストール手順を解説します。
なお、今回の例では、インストール先のストレージを「ハードディスク」としています。
「SSD 」にインストールする際も、手順は同じですので、「ハードディスク」を「SSD 」に読み替えてください。
------------------------------------------------------
【 目 次 】
------------------------------------------------------
1.Windows10の種類
今回インストールする基本ソフトは「Windows10」としていますが、Windows10にはいくつかの種類があります。これを先に解説しておきたいと思います。
(1)「32Bit版」と「64Bit版」
「Bit」はパソコンが取り扱うデータ数の最小単位です。この数値が大きいほどたくさんのデータを取り扱えることになります。
現在のパソコンや、パソコン用の部品は、ほとんどが64Bitに対応していますので、64Bit版のWindows10で問題なく動作すると思います。32Bit版のWindows10しか対応していないアプリケーションソフトを使いたい場合などは、32Bit版のWindows10を選択する事となります。
32Bit版のWindows10では、対応するメモリ容量などに上限があり、これが後々足かせとなる事もあります。なので、前述のような事情がない限りは64Bit版のWindows10をお勧めします。
(2)「Proエディション」と「Homeエディション」
これは機能上の違いになります。
Proエディションでは、より高度なセキュリティ機能に対応しています。例えばハードディスクの暗号化などがProエディションでは可能で、外部からのハッカーなどによる攻撃に対する防御が強固になります。
また、オフィスで使用する事を考慮した機能もPro版の方が充実しています。
逆に言えば、オフィスではなく個人で使用するパソコンの場合は、セキュリティ対策に
拘りがなければHome版を選択すればよいと思います。
もちろん、インターネットに接続する事が一般的となっている現在ですので、セキュリティもそれなりにしっかり考えておく必要があります。
【Amazon.co.jp限定】 Microsoft Windows10 Home 64bit 日本語版|DSP版 バッファローLANボード LGY-PCI-TXD 付属
- 発売日: 2015/08/01
- メディア: DVD-ROM
2.「BIOS」を設定する
では、いよいよインストールの準備に入ります。
基本ソフトをインストールする前のパソコンでは、ハードディスクにはパソコンを動作させるプログラムが入っていません。
しかし、基本ソフトをインストールするにはマウスやキーボードを使いますし、モニタに画面表示をさせる必要があります。
これらの動作を制御するのは「BIOS」の役目です。BIOSは「バイオス」と読み、「Basic Input Output System」の略です。
最も基本的な入出力の制御を行うのがBIOSで、マザーボードに実装されているLSIに記憶されています。
パソコン起動時の、基本ソフトが起動する前のキーボードやマウスの制御、画面表示及び基本ソフトの起動までを行います。
一番最初にパソコンを起動する時は、この「BIOS」の設定を行う必要があります。
BIOSの設定では、基本ソフトを起動するデバイスの設定や、日付・時刻の設定などを行います。具体的に、画面の写真を使って解説します。
BIOSの起動方法は、マザーボードによって異なる場合がありますが、多くの場合は一番最初のロゴ表示中に「F2」キーまたは「Delete」キーを押します。下のような文字が表示されるので、見逃さないように注意してください。
または、起動時のロゴが表示されたら、迷わず「F2」キーまたは「Delete」キーを押すのも、BIOSを起動させる方法です。
BIOSの画面は、マザーボードによって異なります。各製品のマニュアルを参照してください。最近のマザーボードは、BIOS画面がグラフィカルに作られており、非常に見やすいです。
BIOSの画面が表示されたら、日付と時刻を確認し、ズレていたら合わせます。
下の写真は、ASUS社のマザーボードのBIOS画面の例です。左上に日付と時刻が表示されています。時刻表示の右肩にある歯車マークをクリックすると、日付と時刻の調整をするウィンドウが開きました。
次に起動デバイスの設定です。
どのデバイスから起動するか、優先順位を決めて設定します。通常は、DVDドライブを最優先に、ハードディスクを2番目に設定します。
これによりDVDメディアなどの外部ディスクからの起動が出来るようになります。
このBIOS設定では、マウスでデバイス名をドラッグ&ドロップするだけで起動順序の変更が出来ました。
その他、必要な設定を行い、最後は設定を保存して再起動します。
「保存&終了(F10)」をクリックします。「F10」キーを押してもいいです。
「変更を保存しリセット」と表示されたところで、「OK」をクリックすると、パソコンが再起動します。この時に、Windows10のインストール用ディスクをDVDドライブにセットしておくと、再起動時にインストールディスクからの起動がスムースにできます。
3.Windows10をインストールする
(1)DVDから起動する
次にWindowsのインストールです。WindowsのインストールディスクをDVDドライブにセットし、パソコンを起動すると、自動的にインストーラーが起動します。
BIOS設定の最後に書いた通り、再起動前にディスクをセットしておくと良いです。
起動ディスクが読み込まれると、下の写真のように、WIndowsのロゴが表示されます。
この時、エラーメッセージなど他の画面が表示されるときは、インストールディスクを入れ忘れていないか、DVDドライブが正常に動作しているか、チェックする必要があります。
正常に起動すると、下のような初期画面が出ます。「今すぐインストール(I)」をクリックします。
初期設定画面が表示されます。内容を確認して「次へ(N)」をクリックします。通常は何も変更する必要はないと思います。
(2)ライセンス認証
Windows10のライセンス認証を行います。
インストールディスクに付属している「プロダクトキー」を四角い枠(赤枠の部分)の中に入力していきます。「プロダクトキー」は、緑の下線部に表示されている通り、25桁のランダムな英数字です。途中の「ハイフン(―)は入力する必要はありません。
ライセンスキーは、これからインストールする基本ソフトが、正規のWindows10である事の証明です。一文字でも誤っていると、次に進むことが出来ません。
Windows10を使用するにあたっての「ライセンス条項」に同意する必要があります。
「同意します(A)」の左にある枠をクリックし、チェックを付けてから「次へ(N)」をクリックします。同意しない限り次へは進めません。
(3)インストールの種類とインストール先の選択
「インストールの種類」を選択します。
ここでは、下側の「カスタム」を選択します。上側の「アップグレード」は、既にパソコンにWindows10がインストールされていて、何らかの事情でインストールし直す際に選択します。
Windows10をインストールするデバイスを選択します。今回はハードディスク1台のみでしたので、1択です。「次へ(N)」をクリックします。
Windowso10のインストールが始まります。ここからはしばらく画面を見ながら待ちましょう。エラーメッセージなどが表示されないか、よく注意しておきましょう。
インストールが完了すると、再起動の画面が出ます。そのまま待っていれば、約10秒後に自動的に再起動します。すぐに再起動させたい時は、画面右下の「今すぐ再起動(R)」をクリックします。
パソコンが再起動すると、Windows10の起動ロゴが表示され、自動的にインストールが再開します。
(4)アカウント作成
「アカウントの作成」画面が表示されます。パソコンに名前を付ける作業です。
画面の表示に従って、好きな内容を入力していきます。
ただし、この内容は後々もずっと使われる重要な内容です。よく考えて慎重に付けましょう。
特にパスワードは、忘れてしまうとパソコンを起動する事が出来なくなります。
忘れないように何かにメモをしておきましょう。「パスワードのヒント」を設定することが出来ますので、思い出しやすいようなヒントを考えて設定しておきましょう。
パスワードは、このパソコンを他人が勝手に使えないようにするためのセキュリティです。最低8文字以上で、アルファベットと数字を混ぜて、推定しにくいような文字列にしてください。名前や誕生日、電話番号などは他人に推定されやすく危険です。
(5)各種機能の設定
いろいろな機能設定の画面です。ここでは特に細かく設定しなくてもOKです。後から変更することが出来ますので、「標準設定を使う」をクリックすると、そのまま標準設定になります。
「カスタマイズ」をクリックすると、細かくお好みに応じて設定できます。
設定を「カスタマイズ」しているところです。項目を確認して、機能のオン・オフが出来ます。
設定が完了すると、最後の設定画面が出ます。このまま何もせずに待ちます。
Windows10のデスクトップ画面が表示されます。
これで、基本ソフトのインストールが完了しました。Windows10はこれで使うことが出来るようになりました。
この後は、製作するパソコンの構成により作業が異なりますが、マザーボードの各種ドライバインストール、グラフィックボードを搭載する場合は専用のドライバインストール、インターネットの接続設定、各種アプリケーションのインストール、と進んでいきます。
ここまでで、製作したマシンが、パソコンとして稼動を始めました。正常に動作していますか?
一生懸命作ったパソコンが、正常に動作して画面表示が出ていると、なんだか誇らしくなりますよね。
これから末永く活躍してもらえるように、次回以降はもっと使いやすくするためのお話を書きたいと思います。