パソコン作ろう!

パソコン自作の初心者さん向けに、パーツの選び方や組み立て方、パーツの情報などを発信していきたいと思います。

~初心者のパソコン自作講座~ PCパーツを知ろう・・・CPU

CPU(Central Prossesing Unit)は、パソコンにインストールされているプログラムなどを実行することしたり、ハードウェアの制御を行ったりする「パソコンの頭脳」です。

 

それだけに、CPUの性能はパソコンの基本性能に直結します。

また、誤った選択をすると、他のパーツ同様パソコンが正常に動作しなくなります。

 

自作初心者の方が、動作不良などのトラブルに遭わないためのCPUの選び方を説明します。

 

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1.ソケットの種類

 

CPUはマザーボード上にある専用のソケットに実装して使用します。

マザーボードの記事でも書いていますが、ソケットにはいくつもの種類があります。

 

CPUの裏面には、非常にたくさんのピンが付いていて、これがマザーボードのソケットと接続されます。

ソケットの種類が異なれば、このピンの数が異なります。なので、マザーボードのソケットとCPUが対応するソケットが異なれば、物理的に取り付ける事は出来ません。

 

ムリやり取り付けようとすれば、マザーボード側かCPUのどちらか、または両方が破損してしまいます。

CPUを選択する際の、最も基本的な仕様です。

間違った選択をしないように、よく確認しましょう!

 

2.世代

 

コンピュータのみならず、先端技術の世界は日進月歩です。この記事を書いている2021年3月時点、CPUの世代はIntel社が第10世代、AMD社が第3世代の製品を販売しています。

 

CPUを選択する際に、世代についての注意が必要な事は、ソケットの種類が同じ名称でも、世代が違うと互換性がありません。

従って実装が出来たとしても動作しない、という事になります。

 

最新の製品を購入する場合はさほど問題はないと思いますが、価格重視で前世代の製品を購入する場合は、注意が必要です。

 

3.メーカーと性能

 

ここまでは、間違えると正しく動作しなくなるため、注意が必要な知識を書いてきました。

 

ここからは、動作はするけど遅い・・・などといったトラブルに遭わないための基礎知識です。

 

現在(2021年3月)、CPUを製造しているのは「Intel」と「AMD」の2社です。

どちらのCPUが優れているの?と言うと、現在はどちらにも強みと弱みがあり、はっきり言ってどちらを選んでも問題は無いと思います。

 

よく聞く違いとしては、Intelはゲーム向けマシンに適していて、AMDは動画編集などの用途に強いと言われます。

インターネットの閲覧や表計算などがメインであれば、どちらを選んでも良いでしょう。価格と入手しやすさで選んでも良いと思います。

 

しかし、実際に選ぼうとすると、各メーカーともラインナップが結構多く、初心者の方は迷うと思います。

そこで、CPUを選択する際の主な性能の指標を示します。

 

(1)コア数

1つのCPUに内蔵されている、CPUチップの数と考えてください。

イメージとしては下の図のようになります。

 

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このような感じで、1つのCPUの中に、複数の「コア」が入っています。

「コア」は、一つ一つが演算を行うチップであり、同時に別々の演算を行うことが出来ます。つまり、コアが多ければ多いほど、CPUの中では同時に多くの演算ができるので、パソコンの処理能力もグッと向上する、という事になります。

 

 

2.スレッド

1つのコアで、同時にできる演算処理の数、というイメージです。

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上の図のように、1つのコアでスレッド1の演算を行っていたとします。コアの持つ処理能力の約半分くらいが使われているイメージです。

この時、処理能力の半分は使われずに残っています。これをそのまま空けておくのはもったいない・・・という事で考えられたのが「マルチスレッド」です。

この図では、同時にスレッド2の演算を行っていることになります。

つまり、コア数同様にスレッド数が多ければ、当然処理速度も向上する、という事になります。

 

3.キャッシュメモリ

キャッシュメモリ」とは、CPUに内蔵された一時記憶用のメモリです。

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パソコンが動作するためのプログラムやデータは、メモリやハードディスクなどに記録されています。CPUはこれらのデータを読み出して演算を行いますが、いちいちメモリやハードディスクを読みにいくと、その分タイムロスが発生します。

 

そこで、CPUの中にも一時記憶用のメモリを持っておき、そこにプログラムやデータを記録しておけば、メモリやハードディスクを読みにいく時間が節約できます。

このようにしてCPUの処理速度向上が図られています。

当然、キャッシュメモリの容量が多ければ、それだけたくさんのプログラムやデータを記録しておけるので、CPUの処理速度も向上します。

ただし、これも当然ですが能力の高いCPU(コア数が多い・スレッド数が多い・キャッシュメモリの容量が多い)は、価格もどんどん上昇していきます。

 

現在主流の、各メーカーのCPUのモデルと性能・価格帯を表にしてみましたので、参考になればと思います。

 

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この表はかなりザックリとした内容になっています。本当は、各社ともシリーズ毎にもっと細かく型番が細分化しています。例えばIntelなら「Core i9-10900」や「Core i5-10400」などと数値が付いています。さらに数値の後ろに「K」や「F」などのアルファベットが付くこともあります。これで各CPUの性能や機能を表しています。 

 

高い性能を要求するゲーム用マシンを作るならIntelのcore-i9シリーズなど、短い時間の動画編集をしたいならAMDの   シリーズ、高性能を求めないならIntelのCerelonシリーズなどの選択が出来ると思います。

 

私のパソコンでは、ミドルクラスのIntel製 第10世代「Core i5-10400」を使用しています。 

 フライトシミュレータなどのPCゲームをインストールしていますので、もっと高性能なCPUが欲しいところですが、コストパフォーマンスとしてはこのクラスがちょうどいいバランスかな・・・と考えています。

安定した動作と信頼性の高さは、初心者が最初に作るパソコンには安心して使用できる選択だと思います。

4.CPUクーラー

 

通常、CPUを購入するとクーラーも付属してくる事がほとんどです。

しかし、時々クーラーが付属していないケースがあります。この時は必ず、CPUに適合するクーラーを購入して下さい。

クーラーの取り付け方法によっては、マザーボード側の仕様を確認し、クーラーが取り付けられるかチェックしておく必要があります。

 

CPUは、パソコンが稼動している間、高温になります。過度に温度が上昇すると、CPUが破損する事があります。一般的にはCPUの破損を防ぐため、決められた温度以上になると、動作速度を制限したり、一時的にスリープ状態になったりします。

 

CPUクーラーは必ず必要なパーツですので、取り付けを忘れないように注意しましょう。