初心者のパソコン自作講座~ PCパーツを知ろう・・・メモリ
メモリは、プログラムやデータを一時的に記憶しておくパーツです。
プログラムやデータはハードディスクなどのストレージに保存されていますが、ハードディスクのデータ読出し・書込み速度は意外と遅く、パソコンの動作速度にネックとなります。
そこで、動作速度の速いメモリにプログラムやデータを読出して使用する事で、高速な処理を可能にしています。
この記事では、パソコン自作初心者が失敗しない、メモリの基礎知識を解説します。
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1.メモリの種類
現在主流となっているパソコン用のメモリは、ほとんどが「DDR4-SDRAM」というタイプです。これは「Dowble Data Rate 4 - Synchronous Dynamic Random Access Memory」の略です。なんだか、よく判らないような英単語が並びますね(笑)。
まあ、ここでは一つ一つの細かい用語については割愛します。とにかく「DDR4-SDRAM」が使われている、と覚えてください。
一応、簡単に説明すると、「DDR」とは「データの転送技術」を表していて、高速でデータをやり取りする技術と考えればいいと思います。
CPUなどのパーツの進化と共に、メモリもDDR〜DDR2〜DDR3・・・と進化し、現在はDDR4が主流です。
メモリの外観は下の写真のようになっています。
細長い板状の基板になっていて、この上にメモリ用のLSIを並べています。最近は高速化に伴い動作中の発熱量が増えたため、写真のように放熱板でカバーされている事もあります。
マザーボードには、たくさん並んだピン状のコネクタで接続されます。
メモリは基本的に、世代が違うとコネクタのピン数が異なります。
また、コネクタには、取付向きなどの誤接続を防止するための切欠きがありますが、この位置も世代によって異なります。
マザーボードは、サポート出来るメモリの世代が決まっていますので、メモリの世代とマザーボードのサポートメモリが異なれば、取付ける事すら出来なくなります。
メモリ選択で最も基本的な注意事項です。
2.動作速度
メモリの規格には「DDR4」の後に続く「-3200」などの数値があります。これはメモリの「動作速度」を表しています。この規格には「PC4-25600」といった表現方法もあります。「DDR4-3200」はメモリチップの規格を表し、「PC4-25600」はメモリモジュールの規格表現方法です。表し方が違うだけで、どちらも同じメモリです。
メモリを選択・購入する際は、表現の方法に惑わされないように注意してください。
ちなみに、メモリチップ規格の数値に64を掛けて、8で割るとモジュール規格の数値になります。
例えば上記の「3200」なら、3200×64÷8=25600 のようになります。
数値が大きいほど、速度が速い事を示します。その分価格も高くなります。
注意が必要なのは、ここでも使用するマザーボードの仕様です。
必ずサポートしているメモリ仕様を確認しましょう。高いメモリを購入しても、マザーボードがサポートしていないメモリでは正常な動作が保証されませんし、そもそも動作しない事もあります。
3.メモリ容量
メモリはプログラムやデータを記憶しておく、言わばプールのようなものです。
プールは、大きいほどたくさんの水を貯められます。メモリにも記憶出来る量があり、量が多いほどたくさんのデータが記憶出来ます。
では、可能な限り容量の多いメモリを搭載すべきでしょうか?
もちろん、予算度外視ならそれでもOKでしょう。パソコンでは、用途により必要なメモリ容量がだいたい決まります。
データを大量に使うゲームや、動画編集などでは、なるべく多くのメモリを搭載する事が理想です。
しかし、表計算やワープロ程度の用途ではメモリはそれほど多く必要としません。あまりに多いメモリはムダとなります。
だいたいの目安としては、インターネットや表計算などの用途では8GB程度、ゲームや動画編集などでは16GB〜32GB以上を搭載します。
4.2枚セットを使おう
現在販売されているマザーボードには、ほとんどの場合複数のメモリスロットが実装されています。
上の写真は私が使っているASUS社製の「PRIME H470-PLUS」です。赤枠の部分がメモリスロットです。少しわかりづらいですが、色の異なる2つのスロットが2つ並んでおり、合計4つのスロットがあります。
これはデータの高速転送技術で、「Dual Channnel 」という方式を使用するためのもので、同じ色のスロットに、同じ型番のメモリを実装する事で、データ転送幅を2倍にしようというものです。当然、メモリを1枚で使用するより高速な動作が期待できます。
マザーボードがこの「Dual Channnel」に対応したメモリスロットを実装しているのなら、メモリも2枚実装する事をお勧めします。
例えば8GBのメモリ実装するのであれば、1枚で8GBのメモリではなく、4GB×2枚組のメモリを実装します。
ただし、容量が違うメモリや、規格の違うメモリを2枚組にすると、「Dual Channnel」の機能が十分に発揮できなくなることがあります。必ず同じメモリの2枚組を用意しましょう。