パソコン作ろう!

パソコン自作の初心者さん向けに、パーツの選び方や組み立て方、パーツの情報などを発信していきたいと思います。

【パソコンを組立てる】第1回:組み立ての順番を覚えよう(マザーボード・CPU・CPUクーラ)

 

こんにちは! 管理人のJG6BRHです。

 

今回の記事から、自作パソコンの組み立て方について順に書いていきたいと思います。

第1回目は、「組み立てる順番」です。

パソコンを自作するために、パーツを選定して購入したら、必要なパーツがすべて揃っている事を確認してください。

 

パーツが揃っていれば準備完了です。では、組み立てる順番を解説していきます。

 

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  【 目 次 】

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1.必要な道具

まず、道具をそろえておきましょう。

パソコンを組み立てる時に揃えておきたい道具は以下のようなものです。

用途などを合わせて説明します。

(1)プラスドライバー(セット)

 

 マザーボードや電源、各種ドライブ類などを取り付けたり、ケースのカバーを開け閉めする際に、ねじを回すために使います。ご家庭にだいたい標準的なドライバーがあることも多いと思います。その場合は新しく買い足す必要はありません。今あるものでOKです。

 サイズは大・中の2種類あればいいと思いますが、安いセットなども売られていますので、そういうものでもいいです。ただし「精密ドライバーセット」は今回の用途には向いていません。気を付けて下さいね。

 

(2)ニッパー

 この後ご紹介する「束線バンド」を切断するために使用します。安いもので構いません。

 

(3)束線バンド(100mm)

 

 電源から各パーツへ電気を供給するケーブルを纏めるために使用します。

ホームセンターや100円ショップなので入手できます。100mmサイスのものでいいと思います。無くてもパソコンの組み立ては出来ますが、ケーブルが内部で乱雑になっていると、冷却用のファンに巻き込まれたり、冷却空気の流れを妨げたり、あまりいいことはありません。なにより乱雑なのはかっこよくありません。せっかく作るならキレイに仕上げたくはないですか?

 

(4)リストストラップ

 聞き慣れない道具ですね。手首に装着し、人間のカラダから発生する静電気を逃がすための道具です。「アースバンド」とも言います。

ホーザン(HOZAN) リストストラップ 金属アレルギー対応リストバンド コード全長3.1m コード実効長1.6m F-152

パソコンに使われるマザーボード・メモリ・CPUや、グラフィックボードなどの各種基板などは、静電気に弱い精密な半導体部品の集まりです。

人のカラダからは静電気が絶え間なく発生します。特に乾燥する冬は、非常に強い静電気が起きやすく、時にはそれが精密な部品を破壊します。

高価なパソコンの部品を静電気から守るため、リストストラップは一つ購入しておくことをお勧めします。

 

(5)LEDライト

 無くても問題ありませんが、ケース内の狭い空間やちょっと陰になって見にくい場所などを照らすために、あると便利なグッズです。100円ショップなどで購入できるものでOKです。

 

これに、作業用の机やビニールマットなどがあると便利です。

 

2.パーツ取扱いの注意事項

準備するものの一つ「リストストラップ」の項で説明した通り、パソコンのパーツは非常に静電気に対してデリケートです。私はコンピュータ関連のサービスエンジニアをやっています。パソコンよりもさらに高度で、インフラなどにも欠かせない制御装置などに使用されているコンピュータを取り扱いますが、静電気には非常に気を使います。

万一故障すると、工場の生産やインフラなどに影響が出る可能性が高いからです。

 

それほど厄介な静電気、冬場ではなんと1万ボルト以上の電圧になる事もあるんです。流れる電流が非常に低いため、人が感電死することはありませんが、半導体にとっては致命的な電圧になる事もあります。それを、安全に逃がすのがリストストラップです。

パソコンのパーツを取り扱う際には、リストストラップをカラダに付けておくことをお勧めします。使い方は次のような感じです。


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  バンド部分     クリップ部分

 

バンド部分は手首に巻き付けます。

反対側はクリップになっています。マザーボードの金属部や、パソコンのケースなどを挟んでつなぎます。

 

エアコンのアースなどが近くにあり、電線で引っ張ってこられる場合には、それを使っても構いません。

f:id:JG6BRH:20210426152921j:plain エアコン用コンセントの例(アース端子付き)

 

ただし、エアコンのアース端子は感電事故防止用なので、エアコンのコンセントプラグが差してある場合には、リストストラップを繋がないで下さい。

エアコンのコンセントプラグが差されてなく、コンセントのブレーカーが切られていれば、このアースを使う事が可能です。
 

また、マザーボード・メモリ・CPUや各種基板を持つときは、べたっと基板の面を触るのは避けましょう。特にコネクタのある個所など持たないほうが無難です。

金属のフレームがある場合は、そこを持つようにするといいでしょう。

 

具体的な部品の持ち方を写真で説明します。

 

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 メモリの持ち方(1)     メモリの持ち方(2)
 

写真のようなヒートシンク付きのメモリは、ヒートシンク部分を持てばOKです。ヒートシンクが付いていないメモリの場合は、右の写真のようにメモリの両端をつまむようにして持ちます。

コネクタピンの部分を持ったり、基板に実装されているLSIに触るような持ち方をすると、静電気でメモリが壊れる原因となります。

 

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 マザーボードの持ち方

 

マザーボードは持ち方が難しいですが、私は写真のようにI/Oパネル部のコネクタを持っています。ここであれば直接電子部品に触れることが少なく、強度もそれなりにあります。

また、先にCPUとCPUクーラーを取り付けて、クーラーを持つ方法もあります。ただし、マザーボードをケースに止める際に、ねじを付け辛くなることもありますので、ご購入の製品をよく見て考えてみましょう。

 

3.基本的な取付順序

パーツの取扱いの注意などを理解したところで、いよいよ組み立ての順番です。

 

(1)ケースを開ける

まずケースの側面パネルを外します。外し方はケースによって異なりますが、たいていの場合は背面側にケース側面版を止めているねじがあります。

 

(2)スペーサーを取り付ける

「スペーサー」とは、マザーボードを取り付けるための受けねじのようなもので、ケースからマザーボードを浮かせてスペースを作るので、「スペーサー」と言います。

ケースの内部には、スペーサーを取り付けるためのねじ穴があります。そこに、マザーボード側の取付ねじ穴に合うように、スペーサーをねじ込んでいきます。

ねじ穴の位置はマザーボードのマニュアルで確認しておきましょう。

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(3)I/Oパネル取付

「I/Oパネル」とは、マザーボードに付属している部品で、パソコンの背面部分になるUSBやHDMI、ディスプレイポート、オーディオジャック、LANなどのコネクタ用パネルです。ケース背面に内側から押し込むようにしてはめ込みます。先に取り付けておかないと、マザーボードをケースに世知してから取り付ける事は出来ません。

また、上下・裏表の向きがありますので、マザーボードのマニュアルをよく確認し手下さい。取付前に実際にマザーボードの背面コネクタ部に合わせてみて、向きを確認しておくといいでしょう。 

 

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(4)マザーボード取付

スペーサーを取り付けたら、マザーボードをスペーサーの位置に合わせて乗せていきます。ねじ穴がピッタリ一致している事を確認したら、止めねじでマザーボードを固定していきます。

ここで、あまり締めすぎるとマザーボードを破損したり、ねじがつぶれたりしますので、ねじが回らなくなったところから半回転くらい締めれば十分です。

 

(5)CPU・CPUクーラー取付

マザーボードが固定出来たら、CPUとCPUクーラーを取り付けます。

まず、CPUを取付けるソケットを開きます。ソケットにはレバーが付いていますので、指でレバーを押さえてストッパーから外し、上へ上げてソケットを開きます。

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CPUソケットを開いたところです。

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ソケットを開いたら、CPUをソケットに乗せます。この時、向きが決まっていますので、必ず確認しましょう。向きを間違えると、最悪の場合CPUとマザーボードの両方を破損させてしまいます。

向きの確認は、CPUに付いているマークを使用します。

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赤丸で囲んだところに見える、CPUの左下の角に付けられた三角のマークが位置合わせのマークです。これをソケットの左下に合わせるようにします。
 

CPUを取付けたら、ソケットのレバーを開いた時と逆の手順で閉めて、取付完了です。

続いてCPUクーラーを取付けます。

 

CPUに付属していた新品のCPUクーラーには、裏面にグリスが付いています。これは熱伝導をよくするためのグリスです。これでCPUとクーラーがしっかり密着し、効率よくCPUの熱が放散されます。

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CPUクーラーは、マザーボードの取付穴に合わせて乗せ、ピンを上から押し込んで固定します。 

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いかがですか?順調に作業は進んでいますか?

長くなってきますので、第1回はここまでとさせていただきます。

 

次回はメモリの取付からケーブルの接続と、パソコン本体の組み立てが完了するところまでを書いてみたいと思います。