【パソコンを組立てる】第2回:組み立ての順番を覚えよう(メモリ・電源・ドライブ・ケーブル接続)
こんにちは! 管理人のJG6BRHです。
前回から、自作パソコンの組み立て方について書いています。
第1回では、組立に必要な道具の準備、ケースを開けてマザーボードを取付け、さらにCPU・CPUクーラーの取付までを解説しました。
第2回はメモリ・電源・ドライブ類の取付とケーブル接続です。これでパソコン本体の組み立てが完了する予定です。
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【 目 次 】
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1.各パーツの取付(続き)
(1)メモリ取付
メモリは、マザーボードのメモリ専用スロットに取り付けます。メモリスロットは、マザーボードにより異なりますが、2つから6つある場合がほとんどです。
私の使用しているマザーボードでは、4つのスロットがあります。写真では判りづらいかもしれませんが、赤と緑で囲み分けた4つのスロットが見えますか?
また、色分けされた2組の、色の少し違うスロットがあることが判りますか? 黒い色のスロットと、グレーっぽい色のスロットが交互に並んでいます。
これは、「Dual Channel Access」に対応している事を示しており、同じ型番で同じ容量のメモリを2枚、同じ色のスロットに挿すことで、同時に2枚のメモリにアクセスできるようになり、パソコンの処理速度向上が図れるようになっています。
最近のマザーボードはほとんどこれに対応していますので、メモリを購入するときは2枚組のメモリを購入する事をお勧めします。
もちろん、事前にマザーボードが「Dual Channel Access」に対応している事を確認しておいてください。
メモリをスロットに取り付けるには、まずスロットに付いている「ツメ」を開きます。
「ツメ」は両側2つのタイプと、片側1つのタイプがあります。指で押すと簡単に開きます。
メモリには位置合わせ用の切欠きがありますので、スロットの突起とメモリの切欠きをしっかり合わせます。写真の赤丸で囲んだ部分です。
もし、どうしても切欠きが合わない場合は、メモリとマザーボードの規格が一致していない事が考えられます。無理に押し込むとメモリとマザーボードの両方を破損させる原因となります。絶対に無理やり押し込まないでください。
メモリをスロットに合わせて上から指で押し込むと、開いていた「ツメ」が自動的に閉じ、メモリが固定されます。
しっかり、真っ直ぐにメモリが挿入され、ツメが元通りに閉まったことを確認し、メモリの取付は完了です。
(2)電源ユニット取付
電源ユニットは、ほとんどの場合ケース後方の上部または下部に取付けます。ケースによって取付スペースの位置が異なりますので、マニュアル等で確認してください。
赤い四角で囲んでいるのが電源ユニットです。私の使用しているケースでは、後方の下側に取付スペースがあります。
電源ユニットはケースにねじ止めして固定します。ケース後方の外側から、4本のねじで固定しているところです。ケースと電源の規格(ATX等)が一致していれば、問題なく取付できると思います。
(3)ドライブ類取付
ハードディスクやDVDドライブをケースに取り付けます。取り付ける場所はケースによって異なりますが、「5インチベイ」や「3.5インチベイ」と呼ばれる、ドライブ類を取り付けるスペースがケース前側にある場合がほとんどです。
赤い四角で囲んでいるのが「ハードディスクドライブ」、緑の四角で囲んでいるのが「DVD・ブルーレイドライブ」です。
ここにドライブ類を横からねじ止めします。私のケースは「5インチベイ」というサイズのスペースしかありません。それに対し、ハードディスクは3.5インチまたは2.5インチというサイズのものが多いです。このため「マウントアダプタ」を使用して取り付けています。使用するケースに合わせて、必要な場合は別途ご準備ください。
2.ケーブル接続
最後に、取り付けた各パーツとケーブルを接続していきます。
まず、電源ケーブルを各部に接続します。
マザーボードに電源を供給する、24ピンのATX電源コネクタは写真のような形状をしています。
これをマザーボードのATX電源コネクタに接続します。向きが決まっており、間違った向きに挿入しようとしても、コネクタが入りません。ここでも無理に挿入することは絶対にやめましょう。
ハードディスクやDVDドライブへ電源を供給する4ピンのコネクタは、写真のような形状です。
これを各ドライブの電源コネクタに挿入します。このコネクタにも向きがありますので、よく確認して接続してください。
このように、それぞれ必要な電源ケーブルを各部に接続していきます。
必要なケーブルの種類や本数は、製作するパソコンの仕様によって異なりますので、予め確認しておきましょう。チェックリストなどを作成しておくと、接続忘れなどを防ぐ事が出来ます。
次に信号ケーブルの接続です。
ハードディスクやDVDドライブの信号ケーブルは、最近ではほとんどが「S-ATA(シリアルATA)」規格を使用しています。
S-ATAのケーブルとコネクタ形状は写真のようになっています。
マザーボードには、S-ATAケーブルを接続するコネクタが写真のように配置されています。場所や配置はマザーボーによって異なります。
また、ドライブ側にも同じようにS-ATAのコネクタがあります。
ここに、S-ATAケーブルを接続していきます。接続が必要な本数は、実装するドライブの台数などによって異なりますので、予め確認しておきましょう。
さあ、いよいよ大詰めです。
ケースには、電源スイッチやリセットスイッチが付いています。前面にヘッドホンジャックやUSBコネクタなどが装備されている事も多いです。
これらのケース側に繋がっているケーブルも、マザーボードに接続します。
マザーボードには「システムヘッダ」というコネクタ接続部分があり、そこにケースから伸びるケーブルを接続していきます。
ほとんどの場合、マザーボードの下部に写真のようにピンが並んでいます。マニュアルを参照しながら、ここにコネクタを接続していきます。
初心者の方では、意外とこの部分が難しいかもしれません。非常に小さなコネクタが多数ありますので、ここは焦らずに、しっかりコネクタを確認して、間違えないように慎重に接続していきましょう。
また、ロックが付いていない場合が多いので、ケーブルを引っ張ってしまうと簡単にコネクタが抜けます。よく注意して作業しましょう。
最後に、ケースファンが付いている場合はマザーボードの「ケースファン」コネクタにケーブルを接続します。これも、マザーボードのマニュアルで接続位置を確認しておいてください。
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ここまででほぼパソコン本体の組み立てが完了しているはずです。
設計や用途によってはグラフィックボードや各種ボードを取り付ける手順が発生します。
一通りの組み立てが完了したら、もう一度取付忘れている部品がないか、ねじがちゃんと締まっているか、ケーブルの接続漏れや、接続間違いはないか、しっかりとチェックします。製品についているマニュアルをよく読み、しっかり確認してください。
すべて間違いなどがない事を確認したら、いよいよ電源投入です。WindowsiなどのOSをインストールする作業が待っています。
次回以降は設定やOSインスト―ルのお話などを書いてみたいと思います。
【パソコンを組立てる】第1回:組み立ての順番を覚えよう(マザーボード・CPU・CPUクーラ)
こんにちは! 管理人のJG6BRHです。
今回の記事から、自作パソコンの組み立て方について順に書いていきたいと思います。
第1回目は、「組み立てる順番」です。
パソコンを自作するために、パーツを選定して購入したら、必要なパーツがすべて揃っている事を確認してください。
パーツが揃っていれば準備完了です。では、組み立てる順番を解説していきます。
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【 目 次 】
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1.必要な道具
まず、道具をそろえておきましょう。
パソコンを組み立てる時に揃えておきたい道具は以下のようなものです。
用途などを合わせて説明します。
(1)プラスドライバー(セット)
マザーボードや電源、各種ドライブ類などを取り付けたり、ケースのカバーを開け閉めする際に、ねじを回すために使います。ご家庭にだいたい標準的なドライバーがあることも多いと思います。その場合は新しく買い足す必要はありません。今あるものでOKです。
サイズは大・中の2種類あればいいと思いますが、安いセットなども売られていますので、そういうものでもいいです。ただし「精密ドライバーセット」は今回の用途には向いていません。気を付けて下さいね。
(2)ニッパー
この後ご紹介する「束線バンド」を切断するために使用します。安いもので構いません。
(3)束線バンド(100mm)
電源から各パーツへ電気を供給するケーブルを纏めるために使用します。
ホームセンターや100円ショップなので入手できます。100mmサイスのものでいいと思います。無くてもパソコンの組み立ては出来ますが、ケーブルが内部で乱雑になっていると、冷却用のファンに巻き込まれたり、冷却空気の流れを妨げたり、あまりいいことはありません。なにより乱雑なのはかっこよくありません。せっかく作るならキレイに仕上げたくはないですか?
(4)リストストラップ
聞き慣れない道具ですね。手首に装着し、人間のカラダから発生する静電気を逃がすための道具です。「アースバンド」とも言います。
ホーザン(HOZAN) リストストラップ 金属アレルギー対応リストバンド コード全長3.1m コード実効長1.6m F-152 |
パソコンに使われるマザーボード・メモリ・CPUや、グラフィックボードなどの各種基板などは、静電気に弱い精密な半導体部品の集まりです。
人のカラダからは静電気が絶え間なく発生します。特に乾燥する冬は、非常に強い静電気が起きやすく、時にはそれが精密な部品を破壊します。
高価なパソコンの部品を静電気から守るため、リストストラップは一つ購入しておくことをお勧めします。
(5)LEDライト
無くても問題ありませんが、ケース内の狭い空間やちょっと陰になって見にくい場所などを照らすために、あると便利なグッズです。100円ショップなどで購入できるものでOKです。
これに、作業用の机やビニールマットなどがあると便利です。
2.パーツ取扱いの注意事項
準備するものの一つ「リストストラップ」の項で説明した通り、パソコンのパーツは非常に静電気に対してデリケートです。私はコンピュータ関連のサービスエンジニアをやっています。パソコンよりもさらに高度で、インフラなどにも欠かせない制御装置などに使用されているコンピュータを取り扱いますが、静電気には非常に気を使います。
万一故障すると、工場の生産やインフラなどに影響が出る可能性が高いからです。
それほど厄介な静電気、冬場ではなんと1万ボルト以上の電圧になる事もあるんです。流れる電流が非常に低いため、人が感電死することはありませんが、半導体にとっては致命的な電圧になる事もあります。それを、安全に逃がすのがリストストラップです。
パソコンのパーツを取り扱う際には、リストストラップをカラダに付けておくことをお勧めします。使い方は次のような感じです。
バンド部分 クリップ部分
バンド部分は手首に巻き付けます。
反対側はクリップになっています。マザーボードの金属部や、パソコンのケースなどを挟んでつなぎます。
エアコンのアースなどが近くにあり、電線で引っ張ってこられる場合には、それを使っても構いません。
エアコン用コンセントの例(アース端子付き)
ただし、エアコンのアース端子は感電事故防止用なので、エアコンのコンセントプラグが差してある場合には、リストストラップを繋がないで下さい。
エアコンのコンセントプラグが差されてなく、コンセントのブレーカーが切られていれば、このアースを使う事が可能です。
また、マザーボード・メモリ・CPUや各種基板を持つときは、べたっと基板の面を触るのは避けましょう。特にコネクタのある個所など持たないほうが無難です。
金属のフレームがある場合は、そこを持つようにするといいでしょう。
具体的な部品の持ち方を写真で説明します。
メモリの持ち方(1) メモリの持ち方(2)
写真のようなヒートシンク付きのメモリは、ヒートシンク部分を持てばOKです。ヒートシンクが付いていないメモリの場合は、右の写真のようにメモリの両端をつまむようにして持ちます。
コネクタピンの部分を持ったり、基板に実装されているLSIに触るような持ち方をすると、静電気でメモリが壊れる原因となります。
マザーボードの持ち方
マザーボードは持ち方が難しいですが、私は写真のようにI/Oパネル部のコネクタを持っています。ここであれば直接電子部品に触れることが少なく、強度もそれなりにあります。
また、先にCPUとCPUクーラーを取り付けて、クーラーを持つ方法もあります。ただし、マザーボードをケースに止める際に、ねじを付け辛くなることもありますので、ご購入の製品をよく見て考えてみましょう。
3.基本的な取付順序
パーツの取扱いの注意などを理解したところで、いよいよ組み立ての順番です。
(1)ケースを開ける
まずケースの側面パネルを外します。外し方はケースによって異なりますが、たいていの場合は背面側にケース側面版を止めているねじがあります。
(2)スペーサーを取り付ける
「スペーサー」とは、マザーボードを取り付けるための受けねじのようなもので、ケースからマザーボードを浮かせてスペースを作るので、「スペーサー」と言います。
ケースの内部には、スペーサーを取り付けるためのねじ穴があります。そこに、マザーボード側の取付ねじ穴に合うように、スペーサーをねじ込んでいきます。
ねじ穴の位置はマザーボードのマニュアルで確認しておきましょう。
(3)I/Oパネル取付
「I/Oパネル」とは、マザーボードに付属している部品で、パソコンの背面部分になるUSBやHDMI、ディスプレイポート、オーディオジャック、LANなどのコネクタ用パネルです。ケース背面に内側から押し込むようにしてはめ込みます。先に取り付けておかないと、マザーボードをケースに世知してから取り付ける事は出来ません。
また、上下・裏表の向きがありますので、マザーボードのマニュアルをよく確認し手下さい。取付前に実際にマザーボードの背面コネクタ部に合わせてみて、向きを確認しておくといいでしょう。
(4)マザーボード取付
スペーサーを取り付けたら、マザーボードをスペーサーの位置に合わせて乗せていきます。ねじ穴がピッタリ一致している事を確認したら、止めねじでマザーボードを固定していきます。
ここで、あまり締めすぎるとマザーボードを破損したり、ねじがつぶれたりしますので、ねじが回らなくなったところから半回転くらい締めれば十分です。
(5)CPU・CPUクーラー取付
マザーボードが固定出来たら、CPUとCPUクーラーを取り付けます。
まず、CPUを取付けるソケットを開きます。ソケットにはレバーが付いていますので、指でレバーを押さえてストッパーから外し、上へ上げてソケットを開きます。
CPUソケットを開いたところです。
ソケットを開いたら、CPUをソケットに乗せます。この時、向きが決まっていますので、必ず確認しましょう。向きを間違えると、最悪の場合CPUとマザーボードの両方を破損させてしまいます。
向きの確認は、CPUに付いているマークを使用します。
赤丸で囲んだところに見える、CPUの左下の角に付けられた三角のマークが位置合わせのマークです。これをソケットの左下に合わせるようにします。
CPUを取付けたら、ソケットのレバーを開いた時と逆の手順で閉めて、取付完了です。
続いてCPUクーラーを取付けます。
CPUに付属していた新品のCPUクーラーには、裏面にグリスが付いています。これは熱伝導をよくするためのグリスです。これでCPUとクーラーがしっかり密着し、効率よくCPUの熱が放散されます。
CPUクーラーは、マザーボードの取付穴に合わせて乗せ、ピンを上から押し込んで固定します。
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いかがですか?順調に作業は進んでいますか?
長くなってきますので、第1回はここまでとさせていただきます。
次回はメモリの取付からケーブルの接続と、パソコン本体の組み立てが完了するところまでを書いてみたいと思います。